DAI-SONのアレやコレやソレ

創作ライトノベル、「ハーミット」「愚者の弾丸」「ハーミット2」を掲載。更新停止中です。

2015-01-01から1年間の記事一覧

「愚者の弾丸」 EX.1 心は武器

できれば人なんて殺したくはない。生前、自らを守るため、仲間を守るため、人を殺めてしまった経験はある。だが、殺さずに解決できるのであればそれに越したことはないのだ。生き返られるのなら生き返りたい。でも、罪もない人間を100人殺すだなんて鬼畜には…

「愚者の弾丸」 EX.0 誰が為に死に賭し墜ちる者

3018年 某日・・・ ボディスーツの男「さぁ、どうする?」膠着状態になった場面、問いかける男は余裕綽々だった。番長は過去を改変し、タイムマシンによって元の時代に戻った。だが、彼も番長が到着する直前を狙い、予備のタイムマシンで追ってきたのである。帰…

「ハーミット」 ACT.LAST 愚者・下

千代「い・・・たい・・・。」枷檻「千代!!大丈夫か!!」千代「痛いってば・・・。」枷檻は千代の手を握り潰さんとばかりに強く握っていた。枷檻「ご、ごめん・・・。」枷檻は手を解き、涙を拭う。枷檻「よかった・・・本当に・・・よかった・・・・・・。」千代「ううん、むしろこれ…

「ハーミット」 ACT.32 愚者・上

千代「何・・・?今のは・・・。」意識を支配していた白昼夢から覚める。枷檻「どうした、さっきからふらついてるじゃねぇか。」摩利華「無理もありませんわ。二人も連続でお相手したのですから、相当疲弊しているのでしょう。」千代(今回は今までと違ってはっきり…

「ハーミット」 ACT.31 星

摩利華「まさか、集団で襲いかかってくる非道な方がいらっしゃるなんて・・・。」枷檻「そうか?私たちだって大した変わりねぇだろ。支援の形が違うだけさ。」千代「安易に人を殺さないところを見ると、彼らも人間なんだなって思うよ・・・。同情はしかねるけど。」…

「ハーミット」 ACT.30 塔

腕男に才能を引き出された犬は、異能力を感じ取り住宅街の外れの廃ビル辺りに来ていた。ここは地主が何十年と放置していて、ゴロツキどもの溜まり場と化していた。ゴロツキA「おい、またハーブの店が取り締まられたってよ。」ゴロツキB「へへっ、いい気味だ…

「ハーミット」 ACT.29 喧嘩両成敗

昼過ぎには潮の自宅に到着していた。マンションの一室に住んでいるようだ。千代「潮ちゃん、起きられる?」潮「う・・・ん・・・なんだ、もう着いたのか。・・・っつうか真夏に分厚いタイツなんて履いてんじゃねぇよ、汗クセぇぞ。」摩利華「そこがいいんじゃない!!」…

「ハーミット」 ACT.28 諦めることを諦められないということ

枷檻「おお、すっげぇなコレ!!どんどん入るぞ!!」枷檻は千代の広げている黒い布の中にいるクロの空間に次々と墨汁瓶を詰め込む。クロ「おい、そんなに一気に入れるのはやめんか!!空間を通している時にも生命力は使われているのだぞ!!」枷檻「わりぃわりぃ。…

「ハーミット」 ACT.27 もっと心で近づきたい

大柄な男は、ドラッグストアで包帯やら脱脂綿やらを買って応急処置をした。店員には怪しい目で見られたが、工事現場で事故に巻き込まれてしまって、と適当にごまかした。出血の割に傷は浅く、なんとか痛みを堪えれば普通に歩けるようにはなっていた。あまり…

「ハーミット」 ACT.26 運命の輪 

腕男「俺は”星(スター)”だァァァァ!!光り輝くスターだァァァァ!!」腕には爽やかな男性が握られている。爽やかな男性はグニャグニャにひん曲がっているが、潰れたり死んだりはしていない。能力によって生きながらえているのだろうが、身動きがとれないのには…

「ハーミット」 ACT.25 未来を見て未来に見られる

8月8日(木曜日)。雨は上がったものの、曇り空がどんよりと湿った空気を閉じ込める。そんな薄暗い町の路地裏、大柄な男は息を切らしながら出血している腕を押さえている。ふくらはぎからも血が流れ、水たまりとコケを徐々に赤くしていた。目の前には幼い女の…

「ハーミット」 ACT.24 微睡みはしどと打つ雨音と

男の腕から抜けた枷檻を抱き寄せる千代。千代「大丈夫??生きてる??枷檻ちゃんッ!!」涙目になって枷檻を揺さぶる。摩利華「大丈夫ですわ。睡眠薬か何かで意識が朦朧としているだけですわ。呼吸はありますし、うっすらとこちらに目線を向けていますわ。」枷檻…

「ハーミット」 ACT.23 月

千代「はぁ・・・」通話を終えた千代は深い溜息をついた。しばらく親から連絡がないと思ったのでこちらから連絡したのだ。心配ばかりかけて申し訳ないという旨を伝えようとしたのだが、父親「いいの、いいの。お金持ちにはお世話になりなさい?あの、焼肉の時に…

「ハーミット」 ACT.22 現場はいつまでも忘れない

8月6日(火曜日)。朝方にすっかり済ませたようで、千代はすっきりしていた。千代「よかった~。今回は長引かなくて。」二度寝しようとベッドに戻る千代。しかし、摩利華に布団を剥がれる。摩利華「もう寝てはダメですわ!!ちゃんと学生として課題をこなさなく…

「ハーミット」 ACT.21 後始末

亜万宮邸に戻った一行は敵の能力について考えていた。結局のところ、相手の限定条件とはなんだったのだろうか?という素朴な疑問があった。それが解からなければまたしても簡単に術中に掛かってしまう可能性が出てきてしまう。もちろん四六時中気をつけられる…

「ハーミット」 ACT.20 女帝

熱く頬を塗る橙色を帯びる店内。もりもりとアイスを食べる千代を白い目で見つつ、憩いのひとときを終えた。摩利華「もう・・・こんなに食べてはダイエットになりませんわ。明日から持っとビシバシ指導してもらうのよ。ぱにゃにゃんだー。」千代「えへへ。ぱにゃ…

「ハーミット」 ACT.19 その呪いは波乱の予兆を孕む

摩利華の部屋には千代と摩利華のふたりがいた。横顔には夕日があたり熱を帯びている。摩利華「難しいですわ・・・?考えている間に落ちてしまいますわ・・・。」彼女らは暇つぶしに落下物のパズルゲームをやっていた。こういったものは断然千代の方が強く、アグレッ…

「ハーミット」 ACT.18 叛逆の牙は引き合う戦意を連ねる

枷檻の父親「すまないが協力はできない・・・。これは私が抱える人間たちが多すぎるが故なんだ。本当に申し訳ないが理解してくれ。」摩利華の家の人々ように協力を仰ごうと考えたりはしたのだが、小鳥遊財閥は邸内のみならず会社やグループが存在しており、これ…