DAI-SONのアレやコレやソレ

創作ライトノベル、「ハーミット」「愚者の弾丸」「ハーミット2」を掲載。更新停止中です。

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ハーミット」 ACT.27 もっと心で近づきたい

大柄な男は、ドラッグストアで包帯やら脱脂綿やらを買って応急処置をした。店員には怪しい目で見られたが、工事現場で事故に巻き込まれてしまって、と適当にごまかした。出血の割に傷は浅く、なんとか痛みを堪えれば普通に歩けるようにはなっていた。あまり…

「ハーミット」 ACT.26 運命の輪 

腕男「俺は”星(スター)”だァァァァ!!光り輝くスターだァァァァ!!」腕には爽やかな男性が握られている。爽やかな男性はグニャグニャにひん曲がっているが、潰れたり死んだりはしていない。能力によって生きながらえているのだろうが、身動きがとれないのには…

「ハーミット」 ACT.25 未来を見て未来に見られる

8月8日(木曜日)。雨は上がったものの、曇り空がどんよりと湿った空気を閉じ込める。そんな薄暗い町の路地裏、大柄な男は息を切らしながら出血している腕を押さえている。ふくらはぎからも血が流れ、水たまりとコケを徐々に赤くしていた。目の前には幼い女の…

「ハーミット」 ACT.24 微睡みはしどと打つ雨音と

男の腕から抜けた枷檻を抱き寄せる千代。千代「大丈夫??生きてる??枷檻ちゃんッ!!」涙目になって枷檻を揺さぶる。摩利華「大丈夫ですわ。睡眠薬か何かで意識が朦朧としているだけですわ。呼吸はありますし、うっすらとこちらに目線を向けていますわ。」枷檻…

「ハーミット」 ACT.23 月

千代「はぁ・・・」通話を終えた千代は深い溜息をついた。しばらく親から連絡がないと思ったのでこちらから連絡したのだ。心配ばかりかけて申し訳ないという旨を伝えようとしたのだが、父親「いいの、いいの。お金持ちにはお世話になりなさい?あの、焼肉の時に…

「ハーミット」 ACT.22 現場はいつまでも忘れない

8月6日(火曜日)。朝方にすっかり済ませたようで、千代はすっきりしていた。千代「よかった~。今回は長引かなくて。」二度寝しようとベッドに戻る千代。しかし、摩利華に布団を剥がれる。摩利華「もう寝てはダメですわ!!ちゃんと学生として課題をこなさなく…

「ハーミット」 ACT.21 後始末

亜万宮邸に戻った一行は敵の能力について考えていた。結局のところ、相手の限定条件とはなんだったのだろうか?という素朴な疑問があった。それが解からなければまたしても簡単に術中に掛かってしまう可能性が出てきてしまう。もちろん四六時中気をつけられる…

「ハーミット」 ACT.20 女帝

熱く頬を塗る橙色を帯びる店内。もりもりとアイスを食べる千代を白い目で見つつ、憩いのひとときを終えた。摩利華「もう・・・こんなに食べてはダイエットになりませんわ。明日から持っとビシバシ指導してもらうのよ。ぱにゃにゃんだー。」千代「えへへ。ぱにゃ…

「ハーミット」 ACT.19 その呪いは波乱の予兆を孕む

摩利華の部屋には千代と摩利華のふたりがいた。横顔には夕日があたり熱を帯びている。摩利華「難しいですわ・・・?考えている間に落ちてしまいますわ・・・。」彼女らは暇つぶしに落下物のパズルゲームをやっていた。こういったものは断然千代の方が強く、アグレッ…

「ハーミット」 ACT.18 叛逆の牙は引き合う戦意を連ねる

枷檻の父親「すまないが協力はできない・・・。これは私が抱える人間たちが多すぎるが故なんだ。本当に申し訳ないが理解してくれ。」摩利華の家の人々ように協力を仰ごうと考えたりはしたのだが、小鳥遊財閥は邸内のみならず会社やグループが存在しており、これ…