DAI-SONのアレやコレやソレ

創作ライトノベル、「ハーミット」「愚者の弾丸」「ハーミット2」を掲載。更新停止中です。

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「愚者の弾丸」 EX.8 導かれし者が己を信じた時

麗「どうして隠してたんだ?」腕の腐った部分に薬草を煎じた液をかけながら尋ねた。サクリファイス「あー痛い痛い!!痛い痛い痛い痛い!!それやりながら訊くことじゃない!!」番長「なっさけねぇ・・・。」腐っているから痛点が死んでいる・・・なんてことはなく、激痛…

「愚者の弾丸」 EX.7 漣いずれ荒波へ

一行は今まで以上に警戒してピリピリしている。理由は当然、大所帯になってしまったことで単純に的が大きくなってしまったためである。全員が戦えるのならまだしも、自警団の三人は素人同然で、非戦闘員のシスターまでいる始末。戦いの主軸となっている番長…

「愚者の弾丸」 EX.6 臆病風に漣立つ水面

コーヒーに注がれる練乳のように少しずつ意識が層を作ってゆく。やがて、無意識の黒と天井の木の色が入れ替わり、重い瞼をひらききる。だが、瞳はまだ世界を捉えておらず、まだ夢の中にいるような気分だ。その甘ったるい意識の中で、かつてともに戦った少女…

「愚者の弾丸」 EX.5 箱庭にさえ蔓延る棘

広い広い草原の上に放り投げられたように佇むひとつの小屋。長い旅路を助けるために、防御系アーツを持つ人間たちが良心で建てた慎まやかな宿。焦る気持ちはあるが、ミツクビの状態と夜の危険性を踏まえると立ち寄らない選択肢など残されてはいなかった。立…

「愚者の弾丸」 EX.4 生命の秤は愚かしく

一方で、紛争は更なる局地を迎えていた。戦地である狂信者の街 クリン・トラスト・・・そこは城と城下町によって出来た中世的な雰囲気を出す街。今までは、その城と町を結ぶ門の前で敵兵を食い止めていた。しかし、医者派がわの”人を殺してはいけない”という指…

「愚者の弾丸」 EX.3 高原と未踏の空を仰ぐ

番長一人なら馬に相乗りする予定だっだようだが、あいにくと人数がかさんでしまったため馬には荷物持ちをさせることにした。馬は至って健康的で、普段の世話の質の良さが見て伺えた。その馬を御する兵士の名はハインツ=ブラウン。生前は誇り高き城の守り手…

「愚者の弾丸」 EX.2 戦火の風上は遥か彼方

相手は死んではいなかった。だが、翌朝に”呪刻”によってアーツを封印され、無害化された。”呪刻”というのは医者の特権で、罪を犯した者からアーツを奪うものである。この世界における医者という職自体、妖精によって心の清らかさを認められた人間のみがなれ…

「愚者の弾丸」 EX.1 心は武器

できれば人なんて殺したくはない。生前、自らを守るため、仲間を守るため、人を殺めてしまった経験はある。だが、殺さずに解決できるのであればそれに越したことはないのだ。生き返られるのなら生き返りたい。でも、罪もない人間を100人殺すだなんて鬼畜には…

「愚者の弾丸」 EX.0 誰が為に死に賭し墜ちる者

3018年 某日・・・ ボディスーツの男「さぁ、どうする?」膠着状態になった場面、問いかける男は余裕綽々だった。番長は過去を改変し、タイムマシンによって元の時代に戻った。だが、彼も番長が到着する直前を狙い、予備のタイムマシンで追ってきたのである。帰…