DAI-SONのアレやコレやソレ

創作ライトノベル、「ハーミット」「愚者の弾丸」「ハーミット2」を掲載。更新停止中です。

2014-01-01から1年間の記事一覧

「ハーミット」 ACT.17 身を喰むチカラよ急ぐ拍となりて

8月3日(金曜日)大柄な男「なかなかの強敵であった。」男は全身にまとった能力を解く。目の前にはゴスロリ姿の華奢な少女が横たわっている。彼女は能力者”だった”人間だ。つまるところ、もう負けているということだ。大柄な男「危ないところだった。こうも毎…

「ハーミット」 ACT.16 悪魔

DDL「ダンナァ!!ヤッタゼ!!イマノアノオンナハフヌケノヌケガラニナッテボーゼントタチツクシテルゼ。トドメヲサシニイクナライマダゼ?」男のもとへ戻ってDDLは自慢げに結果を報告した。しかし、男は不満そうな顔でDDLの顎をぐいと持ち上げる。DDL「ンニニニ…

「ハーミット」 ACT.15 正しき内と悪しき内はいつも彼女と共に有り

千代「摩利華ちゃん・・・。」摩利華「なんですの~?」千代「近いんだけど・・・。」摩利華「いいじゃない・・・やっと二人きりになれたのよ~。」千代「いや、だからといってずっと絡み付いてくるのはどうかと思うよ・・・。」ベッドに入ってからというものの、摩利華は…

「ハーミット」 ACT.14 悪の意は海峡を越えて

長い長いトンネルを抜けた新幹線は一日ぶりに日の光を浴びる。仄暗い夜明けに撒き散らされる熱。車両はすいていた。夏休みシーズンが始まっていたが、今の時代は飛行機の方が人気だ。上空に行っても電波が絡まなくなってからというもの、利便性を考えて海の…

「ハーミット」 ACT.13 波立つ情

番長『向かうのは夕方ころになる。』LINEにメッセージを返された。枷檻「アイツいっつも夕方にしか来ねぇよな。」三人は長いテーブルの片隅に腰掛け、料理を待っていた。摩利華「彼女にも彼女自身の都合があるのでしょう。仕方ありませんわ。」千代「でも、…

「ハーミット」 ACT.12 死神13

夜九時前にはそれぞれがそれぞれの家に帰り、千代はベッドについた。千代「食べてすぐ寝るとまた太っちゃうなぁ・・・。」クロ「今は無理をして体力の蓄えがなくなってしまう方が、よほど恐ろしい。」千代「わかってるよ。みんなの応援を、無駄にはしない。」 …

「ハーミット」 ACT.11 結ばれる糸

7月14日(土曜日)。千代は昨晩摩利華の使用人によって送迎されて帰宅した。精神面ではほぼ正常そのものまで回復したが、肉体には過度のストレスによる疲労が残っていた。まぁ、ストレスもそうなのだが、実を言うと単純に生命力が足りない状態にあるのも事実で…

「ハーミット」 ACT.10 心とココロ 

亜万宮低に着く頃には泣き止んだが、まぶたは赤くしっとりとしていた。門にはSPらしきいかついスーツの男が二人立っている。いかつい男A「おい、そこの。屋敷になんの用だ。」枷檻「私は摩利華とは古い知り合いだからよ、会いに来てやったんだよ。」いかつい…

「ハーミット」 ACT.9 軋む日常

7月13日(金曜日)、摩利華は休んだ。というか、休ませた。あんなボロボロの顔で学校に出られては停学もヒンシュクもくらってしまう。 バトルとは言え、気絶するほど殴り続けたので、昨日気絶から覚醒したあと摩利華にはたっぷり謝り倒した。摩利華「そう・・・普…

「ハーミット」 ACT.8 女教皇

流石に5時限目、6時限目と教室でドンパチやるなどという暴挙に出ることはなく、緊張を帯びた精神のまま、授業をやり過ごした。問題はこのあとだ。真っ先に帰路に着こうとせかせかと帰る準備を済ませる。枷檻の担任の帰りの会はさっぱりしていて短いので半ば…

「ハーミット」 ACT.7 思考倒錯

千代「我ながら本当にめんどくさい事に手を突っ込んでしまった。」軽率な行動でこんな戦いに足を踏み入れてしまい、しかも最初に「能力者バトルかぁ」と不覚にもワクワクしてしまった自分を悔いていた。しかしながら、ここで戦いを辞めるわけにもいけなくな…

「ハーミット」 ACT.6 潜む視線

7月9日(月曜日)・・・。昨晩は警告通り十分な睡眠をとり、久しぶりの健やかな目覚めである。クロ「今日も学校という場所に行くのか?」千代「うん。そうだよ。」着替えながら会話をする。もっともパジャマなんていう面倒なものは持っておらず、下着にシャツを羽…

「ハーミット」 ACT.5 安息

7月8日(日曜日)。部活動に所属していない千代にとっては休日である。しかしながら、今という今ばかりはのんきにしてもいられないのである。二度も公然で戦いをしてしまったために、インターネットによからぬ情報が拡散してしまっているのである。幸いにもク…

「ハーミット」 ACT.4 邂逅

千代「ヴォエ~~~~~・・・」腹部を思い切り殴られたために、強烈な吐き気に耐えかねて排水口に吐き出す。クロ「大丈夫か?」千代「大丈夫に見える・・・?」その横、のびていた女生徒が覚醒する。女生徒は手をグッと握る。数秒間見つめていたが、すぐに拳を解く…

「ハーミット」 ACT.3 恋人

その戦闘をひとしきり眺めている人物がいた。???「へぇ・・・やっぱりあいつ・・・能力者だったんだ・・・。」千代はそんなことつゆも知らないままに、疲れきった体を押して帰るのであった。暴力事件で停学になるなんて問題外なので、なりふり構っていられないのだ。 …

「ハーミット」 ACT.2 戦車

7月4日(水曜日)・・・何事もなかったかのように次の日の朝を迎える。ジムでハジけすぎたのか、少し疲れが残っている。普段からちょくちょく行ったりはしているので、しっかりケアをして筋肉痛は回避している。 昨日のことは妄想だったのかもしれない・・・?千代「…

「ハーミット」 ACT.1 隠者

帰宅して、いつものようにウサちゃんクッションを傍らに引き寄せる。習慣からか、宿題がなかったかとプリントを探る。そうすると、さっきのプリントが出てきた。うっかり自分のものかと思って拾ったが、見たこともない文面だった。プリントにはこう書かれて…

「ハーミット」 ACT.0 プロローグ

2018年 7月3日(火曜日)・・・時は平成、消費税は10パーセントが当たり前。機械の進歩は限界を迎えつつあり、誰もが宇宙に希望を抱いていた。それぞれがそれぞれに道を見出していたこの時代。彼女はありふれた、そして深刻な問題に直面していた。 ???「・・・・・・・・・…

七ヶ月ぶりにこんにちは

やあ、お久しぶり。 なんでまたはてなブログになんか戻ってきたのかなんて思うだろう? 別にブログを書くつもりはもうないんだ。 ツイッターで十分事足りてるからね。 ただね、これからここで創作の文章を載せていこうかと思って ちょっと挨拶をしに来た次第…