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DAI-SONのアレやコレやソレ

創作ライトノベル、「ハーミット」「愚者の弾丸」を掲載。「ハーミット2」連載中。不定期更新です。

「ハーミット2」 ACT.7  ダークブルー・スプリング 少女の暗い暗い青春

陸上部の部室には重苦しい空気が漂っていた。 胸の奥に、焼け付くような痛みを感じている。 やるせなさで膿んだ傷口を憎しみで焼き潰している。 だが、こういうときこそ冷静にならないといけない。 そのため、今日は部活も捜索もしないことにした。 頭を冷や…

「ハーミット2」 ACT.6 真夜中に疾走す

マリはテレビを点ける。 ニュースは「マカアラシ」についての特集が組まれていて、朝ごはんが不味く感じる、どんよりとしたラインナップだった。 最近は行方不明も多く、関連があるのではないかという報道テロップが嫌でも目に入る。 マリ(世間は死人騒ぎで…

「ハーミット2」 ACT.5 回り道・閉じる瞼

セイラ「ハァーッ、ハァーッ…」 顔をつたい、大粒の汗が顎から落ちる。 マリ「ごめん、私のせいで…」 セイラ「ハァ、ハァ…いいんだよっ、別に。陸上部はヤバイことに首突っ込んでんだ。今更だよ。」 マリ「ありがとう。ところでここは?」 セイラは背の高い木…

「ハーミット2」 ACT.4 錠前マリは二番じゃ嫌

5月7日(木曜日)新しい情報や手がかりは已然として見つからず、合宿帰ってきた3年生たちと、部活で汗を流す毎日。 3年生の部員はたった3人だ。 気さくな早瀬川電子(はやせがわでんこ)、比較的常識人な川辺檀(かわべまゆみ)、クールだけどどこか天然な荒川凶子…

「ハーミット2」 ACT.3 ごめんねミミ

5月4日(月曜日) 千代「へぇ…この子がみるくちゃん。意外と小さいんだね。」 何かあったときに、名前と顔が一致しないと困るので、千代の方から会いたいと申し出ていた。 ゴールデンウィークが終われば必然的に会うのだが、安全の確認できていない超能力者か…

「ハーミット2」 ACT.2 見ているだけじゃ治まらない

5月3日(日曜日)桜倉「その怪我どうしたんだよ。」 昨日の帰宅後に、一年生組でゴールデンウィークの予定を立て、その通りに集まったのだが、手足に包帯を巻いている榎の姿は痛々しかった。 榎「えへへー、実はかくかくしかじか、すったもんだでホイホイ…」 …

「ハーミット2」 ACT.1 嘘をつく記憶

5月2日(土曜日)ほとんどの部活がゴールデンウィーク休みに入っているなか、陸上部は休みを返上して部室に集まっていた。千代「まだヒントが少なすぎるね…マスコミの続報を待ちながら、インターネットでの目撃情報を探っていくしかないか。なにせ相手の見た目…

「ハーミット2」 ACT.0 予兆

あらすじ未来の世界からの差し金によって起きた、壮絶な超能力者同士のぶつかり合い、"アルカナバトル"を終えた藤原千代(ふじわらちよ)は、その秋から陸上部のマネージャーになり、春には、愉快な後輩たちを迎えた。 マネージャーになりたての頃にはよそよそ…

「愚者の弾丸」 アフターストーリー 老人と少女の結末

歪曲して、世界の狭間に呑まれて行く番長を見送った四人。 サクリファイス「終わったんだな。」 跡形もなくなって、元からそこになにもなかったかのように風景は広がっている。 ミツクビ「偶然かしらないけど、カインドみたいなところにたどり着いちゃったニ…

「愚者の弾丸」 EX.LAST 愚者の弾丸

不適な笑みが、フードの暗がりのなかに覗く。 相変わらず男か女かわならない声だし、顔立ちまで中性的だ。 仮面の男「おら、連れてきたぜ。」 コッパ「ご苦労様。二人はもう好きにしていいよ。」 優しくて穏やかな甘い口調で、二人に退場を促す。 仮面の男「…

「愚者の弾丸」 EX.41 対峙する運命

マドロシア「な、なんだ。1つ的が増えただけか?」 動揺していたのが馬鹿みたいだ、という風に振る舞う。 番長「千代…。これはいったい…?」 千代「これはね、ミツクビちゃんを逃がしたりしてくれていた大臣が持っていたアーツなんだけど、効果は見たままだよ…

「愚者の弾丸」 EX.40 番長自身の選択

番長「全快はまだ遠いか…。」 目は覚めたものの、疲労と気だるさが枷となって体の自由を奪っている。 麗「しっかし、派手に散らかしてくれたよな。」 復興のために忙しなくなっている町を、遠巻きに眺めながら言う。 番長「他人事のように言うな。手伝わなく…

「愚者の弾丸」 EX.── とある海洋冒険家の手記

※これはおまけです。読まなくても特にストーリーに支障はありません。※19XX年 7月22日広い海、ただ一匹だけ、ひときわ巨大な鮫がいた。 鮫は、片目がつぶれていた。 近辺の港町の人々の話をきくと、その鮫は、金銀財宝や、可憐な乙女に目がなかったそうで、…

「愚者の弾丸」 EX.39 窮鼠猫を噛み、窮猫狼を噛む

麗「はぁ…。はぁ…。ようやく数が減ってきたな…。」 夕日が影を伸ばし始めた頃、エリオットは増殖力を弱めていた。 アリスの鮮やかな太刀筋のお陰もあり、なんとか難を逃れられる兆しが見え始めた。 だが、異変に気づいたのは、地平線に太陽が触れ始めた頃だ…

「愚者の弾丸」 EX.38 私(ミィ)の復讐劇

……………………。酷く重い微睡みをやっとのことで飲み込めそうなのに、呼吸をするためだけに全力を尽くしているんじゃ仕方がない。 何度踏ん張りを利かせても、夢のなかにズルズルと引き戻されるもどかしさ。 誰もいない。 自分がいるとはわかっていても、自分が居…

「愚者の弾丸」 EX.37 それは美しきマーメイド

番長は一向に目を覚まさないが、それはもう仕方のないことだと割り切ってしまわなければならないな、と感じていた。麗「なぁ、やっぱり移動しねぇか?」寒さに震えながら、そう切り出した。ブリンク「危険です。もうすでに囲まれている可能性だってあるのです…

「愚者の弾丸」 EX.36 越えて尚、あの世この世を歩むなら

ブリンクは太い蔦のドームを作り出す。 たが、空が曇っているせいか、それとも下が砂地なせいなのか、うまく成長できずにその場を覆うまでには至らず、花瓶のように小さい口を開けていた。 その中で、サクリファイスと番長は生命力を使い果たし、倒れていた…

「愚者の弾丸」 EX.35 アンカー&アーム

一閃。 翻る太刀筋は夢か幻かと空を薙いだ。 番長の胸元のボタンが真っ二つになり、小さな音を立てる。 アリス「気に入らないねぇ。 …いや、一撫でで御せぬもまた優雅か。」 それは蝶か鳥か、はたまた鮪や烏賊か。 余りの速さにその剣閃は風の筋を撫でる様だ…

「愚者の弾丸」 EX.34 ワンダーランド・イン・シー

全員が船に登り終えると、待ってましたと言わんばかりに、錨が上がる。 誰も甲板に出ていないはずなのに、ひとりでに船は動いている。 サクリファイス「船自体がアーツってことか?」 ブリンク「でしょうな。…ですが、すぐに危害を加えて来ないのが不気味です…

「愚者の弾丸」 EX.33 涙風よさらば

サクリファイス「うおぁぁぉぁぁぉあああ!!」 釣り下がる水柱を失った彼はものすごいスピードで落下して行く。 それを慌てて麗のアーツの風で受け止める。 サクリファイス「確実に死んだと思った…。」 麗「安心しろ、俺たちはもう死んでる。」サクリファイス…

「愚者の弾丸」 EX.32 知らぬが仏言わぬが花なら尋ねるあなたはけだものか

とうとう、落ちてくる水塊は気球ほどに達し、少し押し流されるまでに強くなっていた。この唐突な襲撃に、街の人間は混乱して右往左往している。番長「・・・このままじゃ、いたずらに体力を消耗するだけだ!!」麗「空路はどうだ?」ブリンク「全員を持ち上げるこ…

「愚者の弾丸」 EX.31 その青は

この街には様々な娯楽施設がある。 その中でも、一行が目当てにしていたのは、カジノもどきの集会場だ。 大層な設備がないため、主にポーカーやチンチロリンなどの簡単な道具を使って行えるゲームが主だ。 この世界では金品の価値が微妙なため、賭けるのは話…

「愚者の弾丸」 EX.30 潮風に揺蕩うコッパーブルー

番長は眉間にシワを寄せて理解し難い状況を理屈付けようとしていた。夢の中に閉じ込められたという彼の言い分もおかしいが、まず目の前にいる麗が自分の妄想なのか、はたまた本人なのか。その答えは、閉じ込めた主から明かされることになった。ジェイ「あ、…

「愚者の弾丸」 EX.29 潮騒は永久の眠りにつく子守唄を歌う

一晩中歩き通したが、幸か不幸か、サキューの張っていた罠にあらゆる人間が引っかかってしまっていたため、こんなに見晴らしの良い平原だというのに、行き違うものの一人もいなかった。逆に言うと、森にはたくさんの迷子がいた。だが、大抵はこっちを見るな…

「愚者の弾丸」 EX.28 誰も彼もが同じ空を目指して

刃を伝い落ちる赤の雫。硬直する。サクリファイスは喉の奥に空気をつまらせて、声も出せない。サキューは後ろに飛んで姿を消した。サクリファイス(・・・そうだ、クリフォートから持ってきたクリスタルがあるじゃないか。)うろたえてなどいられない、と刃を抜い…

「愚者の弾丸」 EX.27 這い這い追うぞ欲望は

生還の噂がパラレルワールドと結びついている。おかしな話だ。だって、この世界にいるのなら、どの平行世界にいようが死んでいることには変わりないからだ。生還と平行世界を理屈で結ぶのは難儀な話である。だが、平行世界から人が来るということは、クリフ…

「愚者の弾丸」 EX.26 どうしようもないこと

ここに意味などなかった。強いて言うならば、むしろ意味を失う場所だった。この残酷にも楽園のような世界で、ただ悠久の時間を貪る日々。ゆく果ては、消えてゆくか消されるか。ただそれだけの話だった。この街は、この世界にありふれた、そんな話のひとつの…

「愚者の弾丸」 EX.25 きっと誰かの最期の地

バリバリと空気を揺らし、ショッキングピンクと赤で彩られたド派手なバイクが土煙を上げて迫ってくる。サクリファイス「俺たち、あんなバカみたいなのに気付かなかったのか?」爆音はさらに勢いを増す。番長「バーカ。気づいてなかった訳無いだろう。むしろあ…

「愚者の弾丸」 EX.24 さよなら傷だらけの匣よ

ブリンク「このまま発ってしまわれるのですね。」ブリンクはカップに白湯を注ぎながら言う。番長「おい、別に紅茶が飲めないわけじゃない。」そう言いつつも、番長はそのまま受け取る。水面に映る天井。隅は爆破によって多少綻んでいる。いや、目の前の壁だ…

「愚者の弾丸」 EX.23 傍観者になってはいけない

マリンは、泣き明かしては眠りを繰り返し、ずっと宿の一室に閉じこもっていた。――――デジャヴュ。彼女は身を持って知っていた。偽りの平和なんていつかは壊れてしまうのだと。街はひどい有様だ。チヨが配り歩いたり、飛ばしたりした宝石のせいで、建物は歯抜…

「愚者の弾丸」 EX.22 事実は芸術よりも奇なり

番長「平行世界…。可能性の存在。」 そう。目の前にいる藤原千代は、「ある一時まで同じだった」だけの別人。 パラレルワールド、とも呼ばれる違った未来から来た藤原千代なのだ。 「非常に人に知覚されにくい」という、「隠者の才能」を持っているところま…

「愚者の弾丸」 EX.21 延、トリック・アートの世界

マリンは、生前はいつも偽りの平和を眼下に広げていた。 だが、別にそれが嫌いなわけではない。 むしろ、誰かを守るための優しい嘘なら、このままでもいい、と思った。 今のこの町も、そんなハリボテ固めの平和を乱される、かつての風景と同じものだ。 昔は…

「愚者の弾丸」 EX.20 続、トリック・アートの世界

双銃の獲物となった少女に似た形なき貌。しかしながら、目的を少し履き違えているのではないかと思った。 後にマリンは言った。無差別に似顔絵を送りつけるなら余りにも消極的で、マリン個人を狙っているのなら、こんな回りくどいことをして殺すよりも無理矢…

「愚者の弾丸」 EX.19 トリック・アートの世界

その後も、この街の人気のあるところを狙って散策し、日は沈んでいった。大通りに面する、赤と白のボーダーという派手な外壁塗装をした宿に泊まってゆくことに決めた。この街は、夜でも活気を失わない・・・ように見える。派手な照明や装飾が賑やかに夜の家々を…

「愚者の弾丸」 EX.18 煌びやかな冥界の香り

芸術の街 ホログリフ。様々な魂たちがそれぞれの貌(かたち)を表現し合う色彩豊かな賑わいを持った街。人が多いので、一応マリンはだれそれに付け狙われないようにフード付きの外套を着せることで話がまとまった。 麗「しっかし目がチカチカするな。こんなに…

「愚者の弾丸」 EX.17 魔列車インビンシブル・クルセイダー

一行は、芸術の街 ホログリフを目指して新たなる旅路についたのだが、これからはマリンを守りながら進んでいかなければならず、これまでのようにうだうだと珍道中するのはためらわれた。しかし、車や馬車といった便利なものは持っておらず、手に持っているの…

「愚者の弾丸」 EX.16 痛いの痛いの飛んで行け

番長「悪いな。骨折り損の草臥儲けだっただろうに。」ハインツとブリンクは、結果的にそこに居もしない人物を探していたということになったわけだ。ハインツ「構いませんよ。もう争いは終わったのです。」笑顔で答えるが、疲労の色が出ているあたり律儀に街…

「愚者の弾丸」 EX.15 王たる領域は不可侵

到着した王室の前、扉は開いていた。だからといって迎え入れているという雰囲気は感じず、番兵が柱に張り付いていて重苦しい雰囲気を放っている。だが、なぜか番兵はピクリとも動かない。心音は聞こえるのに動こうとしないのだ。王には微動だにすることも許…

「愚者の弾丸」 EX.14 信じる者は救われず信じられた者が彼らを救う

マーロゥ「それでは第一問!!」この部屋にはものが少ないせいか、やたらと声が響き渡る。案外、そんな些細なことがプレッシャーになってしまうものなのだ。マーロゥ「王が愛した姫はひとりである・・・マルかバツか!!」千代「それはマルね。代わりがきくのなら気…

「愚者の弾丸」 EX.13 順序と正解

サクリファイス「落ち着いたか?」泣き止んだ番長の顔を伺う。サクリファイス「空気を読めねぇようで悪ぃけどよ、ここが敵の本拠地の真っ只中ってことも忘れないでくれよな。」番長「お前に言われる筋合いはない。」少し鼻声気味ながらも、しゃんとする彼女の…

「愚者の弾丸」 EX.12 言葉は人

時を同じくして、麗は武器庫へとたどり着いた。そこにも刺客は待ち受けていた。それは、肉塊のような巨大な男だった。太った男「トゥへへ・・・ねずぅみが一匹・・・。」麗「悪いが俺は人間だ。」太った男「ふぁ?そんなことぉは、どぉでもよぉし。」敵は、巨大なメ…

「愚者の弾丸」 EX.11 進め!!支援遊撃部隊最前線

敵兵「”ダンプ・ビースト”!!」城に入った途端に手厚い歓迎が視界を覆う。頭はリボルバー、体は黒犬。図体がでかく、上を向けば二階の天井にぶつかってしまうため、吹き抜けになっている中央ホールで使うしかなかったのだなと解る。異形犬「ガルルルルッル!!…

「愚者の弾丸」 EX.10 眩しすぎた太陽

ウロボロスの環。それは絵に描かれたときは自らの尻尾を噛む蛇の姿を描かれる。永遠にたどり着くことのない結末。堂々巡り。無限の矛盾。千代は人を殺すことを否定しておきながら、仲間を殺されることを仕方ないと目をつむった。しかし、仲間の命が尊いと自…

「愚者の弾丸」 EX.9 欠けたダイヤモンド

千代「どうしてわかってくれないの・・・?」手を振りほどかれた番長はそれ以上は何も言わずに地下室を後にした。それに続いて、その仲間も次々と部屋を出る。千代「仲間だとか敵だとか、そんなので命の価値を測るなんておかしいよ・・・。」枷檻「番長の言い分だっ…

「愚者の弾丸」 EX.8 導かれし者が己を信じた時

麗「どうして隠してたんだ?」腕の腐った部分に薬草を煎じた液をかけながら尋ねた。サクリファイス「あー痛い痛い!!痛い痛い痛い痛い!!それやりながら訊くことじゃない!!」番長「なっさけねぇ・・・。」腐っているから痛点が死んでいる・・・なんてことはなく、激痛…

「愚者の弾丸」 EX.7 漣いずれ荒波へ

一行は今まで以上に警戒してピリピリしている。理由は当然、大所帯になってしまったことで単純に的が大きくなってしまったためである。全員が戦えるのならまだしも、自警団の三人は素人同然で、非戦闘員のシスターまでいる始末。戦いの主軸となっている番長…

「愚者の弾丸」 EX.6 臆病風に漣立つ水面

コーヒーに注がれる練乳のように少しずつ意識が層を作ってゆく。やがて、無意識の黒と天井の木の色が入れ替わり、重い瞼をひらききる。だが、瞳はまだ世界を捉えておらず、まだ夢の中にいるような気分だ。その甘ったるい意識の中で、かつてともに戦った少女…

「愚者の弾丸」 EX.5 箱庭にさえ蔓延る棘

広い広い草原の上に放り投げられたように佇むひとつの小屋。長い旅路を助けるために、防御系アーツを持つ人間たちが良心で建てた慎まやかな宿。焦る気持ちはあるが、ミツクビの状態と夜の危険性を踏まえると立ち寄らない選択肢など残されてはいなかった。立…

「愚者の弾丸」 EX.4 生命の秤は愚かしく

一方で、紛争は更なる局地を迎えていた。戦地である狂信者の街 クリン・トラスト・・・そこは城と城下町によって出来た中世的な雰囲気を出す街。今までは、その城と町を結ぶ門の前で敵兵を食い止めていた。しかし、医者派がわの”人を殺してはいけない”という指…

「愚者の弾丸」 EX.3 高原と未踏の空を仰ぐ

番長一人なら馬に相乗りする予定だっだようだが、あいにくと人数がかさんでしまったため馬には荷物持ちをさせることにした。馬は至って健康的で、普段の世話の質の良さが見て伺えた。その馬を御する兵士の名はハインツ=ブラウン。生前は誇り高き城の守り手…